ラッコ(海獺、猟虎、学名:Enhydra lutris、英語名:Sea otter)は、食肉目(ネコ目)- イヌ亜目- クマ下目 - イタチ科- カワウソ亜科- ラッコ属に分類される、中型の海棲哺乳類(1種)。本種のみでラッコ属を形成する。
イタチ科のうちで水棲に進化したのがカワウソ類(カワウソ亜科)であるが、その中から海洋に進出して、陸に依存しないでも棲息可能なまでの本格的な適応を遂げた唯一の現生種が、ラッコ属であり、ラッコである。
体長約55- 130cm、尾長約13- 33cm、体重約15- 45kgと、イタチ科最重量種である。尾は短く扁平。尾の基部には臭腺(肛門腺)を持たない。体毛密度が高く、哺乳類のなかでも最も高い部類に入る。全身をくまなく毛繕いするために柔軟な体、皮膚を具えている。「綿毛」と呼ばれる柔らかい下毛が 1cm²あたり10万本以上密生している。水中に潜るときでも、綿毛の間に含まれた空気が断熱層となり、防寒の役目を果たしている。
海岸から10km以内の沿岸域に生息する。陸上に上がることは稀であるが、天候が荒れた日には上がることもある。数十頭からなる群れを形成し、生活する。昼行性で、夜間になると海藻を体に巻きつけて海流に流されないようにして休む。食性は動物食で、魚類、貝類、甲殻類、ウニなどを捕食する。海中で獲物を捕らえ、水面まで運んでから食べる。貝類を食べる際には胸部に石や別の貝類を乗せ、それらに貝殻を打ちつけ叩き割ってから下顎の門歯で中身をこじ開けて食べる。サル目を除いた哺乳類では本種のみ道具を使う例が報告されている。
大きさ:14.0×11.4×7.6cm
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