ムカシトカゲはニュージーランドの限られた地域に生息する、原始的な形質を残した爬虫類。かつて数多くの種と幅広い生態的地位を占める一大グループだったムカシトカゲ目(または喙頭目)の唯一の生き残りであり、1895年以来絶滅危惧種とされている。
ムカシトカゲは現生で最も特殊化していない有羊膜類である。脳や移動方式は両生類に似ており、心臓は他の爬虫類の中で一番原始的である。成体はオスで頭胴長280mm、全長610mm、体重1kgほど。性的二形を示し、メスはオスより小さく体重500gを越えない。
ジュラ紀の化石爬虫類Homeosaurus は現在のムカシトカゲに非常によく似ている。ムカシトカゲは一般的に、サメやワニと同様に「生きている化石」だと言われる。これは本質的にそれらの生物がこの地球上での存在期間中(ムカシトカゲの場合、約2億年)ほとんど変化していないことを意味する。ムカシトカゲの頭蓋骨は双弓類型頭蓋骨の特徴である二本の側頭弓がはっきり見て取れる。有鱗目では全ての種が下側頭弓を失っているため、現生の鱗竜類でこの形の頭蓋骨を持つのはムカシトカゲのみである。
成体のムカシトカゲはしばしば体温を上昇させるために日光浴をするが、基本的に地上性・夜行性である。餌は昆虫を初めとする地上性無脊椎動物などだが、海鳥の雛・卵や小型爬虫類なども食べる。ムカシトカゲは多くの爬虫類が耐えられる温度よりかなり低い温度でも生存でき、冬眠することでも知られている。気温5〜10℃でも活動し、それより寒くなると冬眠する。寿命は100年以上とも言われている。
大きさ:6.4×5.1×3.2cm
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